2018-03-25 Sun
ハノイとハイフォンを結ぶ「南北線」は、沿線の市民の生活空間を縫って軒先をかすめて走ります。
列車が通ってない時の線路は、生活通路であったり、バイク道路であったり
洗濯物の物干し場でもあったりする。
最近は、観光客のツアー経路にもなっている。


まれにコンクリートのアパートも隣接しています。

観光客の思いは皆同じでしょうか。
シュールな街並みの撮影で一生懸命です。
それにお構いなく、バイクが走り抜けていきます。

ここの踏切は隠れた観光名所の一つです。
列車が来る時間になると、係員が手動で踏切を操作します。
まだ踏切が開いているので、列車はまだ来ないのでしょう。

踏切の傍らには、ベトナム名物「路上床屋」がありました。
陽だまりで、床屋のおやじと世間話をしながらのんびりと散髪をしている人がいます。
のどかですネ。
さすがに、そばで将棋はしてないか。
ちなみに、女性用の「路上ヘヤ-サロン」は無いそうです。

そうこうしている内に、踏切が締まり始めました。
高さ1メートルほどの移動式ゲートです。
ぼちぼち列車が来るようです。
どこからか、それを観ようとカメラを持った人たちが沢山集まってきました。
西洋の方も沢山います。
皆さん、情報を良くご存じですネ。

「下り列車」の姿が見えました。
見ている人達はみんな固唾をのんでいるようです。

両側の住宅と比較しても大きいですねー。
本当に軒先をかすめています。
私もこのままの位置に居続けたら列車に引かれます。
列車は構わず、迫って来ます。

やっぱ、でかー!
やばい! 逃げまーす !
日本でこんなことやってたら、間違いなく警察に捕まりますネ。
ベトナムでよかった。
何度も言いますが、列車は走っています。

客車が通り過ぎます。
車両と私の間隔5~60cmです。
運転手は怒こっているかもしれませんネ。
なんせ列車には”ハンドル”がありませんから!
日本でこんな動画をアップしたら、避難ごうごうでしょうね。
お騒がせ者の代表として、ニュースやワイドショーでたたかれますネ。

踏切を過ぎたのか、少しスピードがアップされました。
風の抵抗が大きくなりました。

列車が、家並みの中に消えていきます、当たり前であるかのように。
この町にとっては、こんな景色シュールでも何でもないんですネ、きっと!
ひょっといて、列車は単なる時計代わりなのかもしれません。
我々が腕時計を見るように、列車の通過を観ているのかも。

一旦停まっていた周辺住民の生活が、何事もなかったように再開されます。
静寂が戻りました。
先ほどまで、パタパタと騒いでいた洗濯物も静かに元の位置に垂れ下がっています。

洗濯も再開されました。

鳩もしばらく列車が来ないのを知っているようです。
それは石より、レールの上の方が平らで歩きやすいですから!
彼(彼女)も近隣住民の一人です!

以上、 『軒先と生活をかすめて走る南北線』 でした。
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