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アル酎ハイマーはいかい士

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~ 徂徠豆腐 (そらいどうふ) ~
飛行機を利用する時に一番楽しみにしているものに、

スカイオーディオによる「機内寄席」があります。

乗るたびに楽しみにして聞いています。

今月の『全日空寄席』の落語は、今年2月にバンコクで行った「公開録音寄席」のなかの

『立川志の輔』の噺です。 大好きな落語家です。

人気も相当なもので、高座のチケットが最も取りにくい落語家の一人と言われています。




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今回は『全日空寄席』の進行役でもお馴染みの『女道楽 内海英華』さんも同行されたようです。

オフィシャルウエブサイト「内海英華でございます」にも沢山、バンコクでの写真が掲載されていました。

とても楽しそうでしたネ。


        side-bar-eika内海栄か


                  〖内海英華でございます〗より







『立川志の輔』は新作はもちろんいいですが、古典の人情噺もいい。

特に江戸時代の、ある絵師と、お人よしの宿屋の主人との掛け合いが面白い 『抜け雀』



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          〖知恩院の襖絵 ”抜け雀”〗(落語の「抜け雀」とは因果関係はありません)








鼠小僧次郎吉と、こまっしゃくれた子供のシジミ売りとの掛け合い話『「シジミ売り』 などは、

”どす”の利いた「嗄れ声」が話に臨場感を添えています。

又、それぞれ『志の輔』らしい独自の解釈、工夫を凝らしているのも面白い。




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      〖鼠小紋東君新形〗より  2代目 歌川豊国作










今回の演目は、貧乏浪人時代の儒学者”荻生徂徠(おぎゅうそらい)”と

親切な町の豆腐屋との恩返しを題材にした『徂徠豆腐』です。

”荻生徂徠”は第5代将軍徳川綱吉の側用人柳沢吉保に請われ幕府の知恵袋として働いた儒学者です。

”荻生徂徠”を最も有名にしたのは、当時期せずして起こった”赤穂浪士討ち入り事件”です。

幕府の中にもその処分を巡って、意見が2分していました。

『御定法通り「全員打ち首」にしなければ、幕府としての面目が立たない』、とする意見と、

江戸市民の声を後押しとした『賛美助命論』とで、喧々囂々としていた。

そこで”荻生徂徠”は『赤穂浪士には武士としての体裁を重んじ、自ら「切腹」を選択させ、

幕府は、その浪士達の武士としての意志を尊重して「切腹」を容認する』と言う裁定を進言し、

幕府はそれを実行した。少なくとも、幕府内では”名裁定”と言われた。




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噺の筋は、無役でその日の食べる物にも、困っていた貧乏長屋住まいの”荻生徂徠”に

人の良い、行商商いの豆腐屋七兵衛が見るに見かねて、

毎日「おから」と少々の余りものを届けた。(今で言うゼロ円食堂か)

ある時、七兵衛が風邪をこじらして商いに出られなくなった。

十日程経ち、風邪も治り長屋を訪ねると、もぬけの殻で行先も判らなかった。

名前も聞いてなかった七兵衛は、長屋で名前を聞くと

「確か「お灸がつらい」とか言ってたよ」の答えだった。

結局時が経ち、七兵衛もその内この貧乏学者の事は忘れてしまっていた。

それから幾月かの歳月がたったある日、七兵衛の豆腐屋がもらい火で焼け出されてしまう。

全財産失った七兵衛は裸同然で非難し、途方に暮れるだけであった。

すると、見知らぬ人から見舞金10両が届いた。そして又何日か経ったある日

新しい豆腐屋の店が出来たからと迎えが来た。

言ってみると、新品の豆腐作りの道具がそろった、新築の店が出来ていた。

それが、今や幕府の知恵袋となっていた、

当時の貧乏学者”荻生徂徠”の「おから」への恩返しだった。

と言う人情噺です。

七兵衛の女房とのやり取りが噺に味を付け、

2~3度出てくる「女房の言うことは、いつも半分当たっている」と言うセリフが聞く者に共感を与え、

寿司の中のわさびの役目をしている。

『志の輔』はこの話は”赤穂事件”が起きる7年前の話として、

「七兵衛」はありがたく店を頂戴してシャンシャンで終わらしましたが、

本筋の噺としては”赤穂浪士の討ち入り”の翌日に焼け出されたと言う設定で、

恩返しをしてくれたのが、あの”赤穂浪士”を切腹させた”荻生徂徠”と聞くと

七兵衛は「江戸っ子はそんな奴から施しは受けねー」と言って受諾を断り、一悶着あります。



こんな豆腐屋とのやり取り、付き合いの中から「生きた学問」を習得したからこそ、

後に「名裁定」をするような、儒学者”荻生徂徠”になったと言う

『志の輔』らしい人情噺のハッピーエンドの仕方だと思います。





以上、雲の上の”至極の時間”の夢物語でした。











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寄席・芸能 | 12:46:01 | トラックバック(0) | コメント(0)
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