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アル酎ハイマーはいかい士

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~ 『 米 展』 ~

『米展』 って何だ?


米展 001




何が行われているのか判らないまま、知人に誘われて来てみた。

場所は六本木の「東京ミッドタウン」



米展 003





会場に入るといきなり大きな「米粒」が飾られていた。



米展 004



これは、これからここで起きるであろうことの「予告編」か




地下にある会場は、想像していた以上の人出だ。

一面、田園風景を中心に米作りの写真が貼られている。

日本人なら誰もが「ホッ」と安心する風景ではある。



米展 009





【太平喜餅酒多多買(たいへいきもちさけたたかい)】



太平喜餅酒多多買



壁一面に掲げられているのは"浮世絵師・歌川広重"が描いた合戦の図。

いずれもコメから作られた「餅・団子」と「酒」との戦いの風刺絵。

江戸の浮世の競争的な消費合戦を上戸(辛党)と下戸(甘党)を源氏と平家の戦いにかけて描かれている。

江戸庶民の洒落心と、当時の日本人の「喜び」も「悲しみ」も"米"から発生していることを表している。







【鏡餅】


鏡モチ


お正月、「鏡餅」を「年神さま」にお供えし、その霊力の宿った「鏡餅」を「鏡開き」で割って食べ、

新しい生命を皆で分かち合う。日本人の大切な正月の行事です。

「神」と「米」と「日本人」の強い絆が現れている。








【メイン会場】


米展 016




米展 018



ここにも『米粒』のモニュメントが飾られている。


米展 017



ふと、振り返る。

そういえば、今まで「米」の姿をじっくり観たことがあっただろうか。

精米された白い米粒を茶碗から口へ運ぶ間に、ちらりと観る程度だったかもしれない。

白米になった時点ですでに幾つかの工程と、加工がされている。

判っていたことではあるが、米は元来「黄金色のもみ殻」に包まれている。

しかもよく見ると「毛むくじゃら」だ。

今日は「米」が「種籾」から植えつけられ、実り、白米又は加工され口に入るまでを、改めて見せられている。










【一粒茶碗】


米一粒用の茶碗です。

3000個あるそうです。

米展 027




メイン会場の柱壁には「米」にまつわる「飾り付け」が飾られていました。



飾りⅠ



飾りⅡ






【しめ飾り】


「宗教」は神と人、人と自然、を結ぶ媒介の仕組みです。

自然の恵みである「稲わら」で、縄をないそれを「結び」合わせて「注連縄」として造形するのは

『結び』『絆』『和』を尊ぶ日本の宗教の、原型的表現です。

日本人は「稲わらの結び」の形をデザインすることで、宇宙と人間の魂を祝福してきたのかもしれない。



米展 031







【コメみくじ】


「漢字」ってすごいですネ。

いや、日本人自体がすごいのかもしれない。

中国から渡ってきた「文字」を日本人は、独自に日本の文化に照らし合わせ、日本のものとした。

「編」と「つくり」の組み合わせで、無限の意味を創出出来る、とてもクリエイティブで、ファンタスティックな

世界に類のない「文字」を作りだした。

「米」とともに生きてきた先人たちは、驚くほど多彩な「米」編の文字を作り上げてきた。

いかに「米」が日本人の魂に浸透しているかが判る。

その「米」編の文字を使った"コメみくじ"です。


米展 029



米展 030







【いただきます】


現実に戻ります。

おいしそうですネ。



米展 033



米展 034



米展 035





"いただきます"







【 酒 】



"神"と"お米"が勤勉な日本人に素晴らしいプレゼントをしてくれました。

日本が世界に誇る"SAKE" 日本酒です。

日本中のあちこちの蔵元で、それぞれ独自の日本酒を作っています。「米」「麹」「水」それと製法を工夫し。

"日本酒"は「神」と「米」と「日本人の魂」が作りだした「神の米水」と言えるのではないでしょうか。

「神事」には「神酒」として「日本酒」を供えるのは、当たり前の事となっています。




日本酒銘柄1




日本酒銘柄Ⅱ




"SAKEトーク"も行われるようです。

パネラーにサッカーの中田英寿さんも名を連ねていました。


米展 041






「米」と日本人は2000年以上の付き合いです。

日本は「米」とともに存在・成長してきたとも言える。

「神」を"ネゴシエーター"として「自然」と戦い・共存してきた。

「神」から、「米」を作ること許された唯一の民『百姓』は「神」祈り、「神」供え、「神」に感謝した。

残りの民もそれに従い「祭」の言う名の「民の行事」とした。

そしてその成果は当時の権力者「武家」の報酬として払われ、「武家」の位の単位「石」として表現された。

『米展』の会場の一角で、米を作る過程を「放映」していた。

その中で、「百姓は、百の仕事をすることが出来る尊敬すべき人の事」と言っていた。

正に、その通りだと思う。

「日本のすべての民のために、神から託された百の神業(稲作)を行う、神の使い」だと思う。

映像の中でその尊敬すべき『百姓』は

「自分はとても『百姓』にはなれない、せめて『白性』になれたらいいなと思う」

と言っている。

重みがありますネ。 ものを極めた、あるいは正に極めんとしている人間の言葉です。



以前、津軽三味線の名人「高橋竹山」さんが87歳でなくなる後年

「私はいまだかって一度も満足して三味線を弾いたことがない」と言っていた。

すごいですネ。

映像の中の『百姓』もそれに似ています。

「百」には到底届かないが、せめて一つ足りない「白」なってみたい。

正に「神」の使いたるゆえんのような言葉です。




「日本人」と「米」との関係は「車」や「家電」との関係とは違う。

同じには語ることは出来ない。

もちろんそれぞれに、それぞれの思惑はあるでしょうが


まして、「米」を質草にして「外交交渉」をしたり、天秤にかけたりするのは

「日本の魂」「日本の歴史」を軽く論じることになる。





今日は大変勉強になりました。

『米展』は日本人の心の原風景『日本の魂展』でした。
























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旅・はいかい | 21:40:07 | トラックバック(0) | コメント(0)